走るシーラカンス・ポルシェ911
まもなくリリースされる新型ポルシェ911。
おおかたの予想(希望)を裏切ってまたまたリアエンジンである。
ポルシェ開發陣が何故にこうも旧式なリアエンジンにこだわるのか
全く理解できない。
タイヤの性能が悪くトラクションをかけるのに有利であった一昔前なら
解らないでも無いがタイヤの性能も満足に達した今日において
リアエンジンの欠点は余りにも大きい。
まずコーナリング限界スピードの低さ。
ミッドシップと比べた劣勢は余りに痛々しい。
限界が低い上に突然のブレークアウトにより全損事故に至りやすい。
次に何ともなさけない直進性の悪さ。
リアエンジンにする為の極端に短いショートホイールベースと異常に大きい
フロント・リアのオーバーハングではいかんともしがたい。
最大の欠点はスポーツカーの命(ポルシェ911は決してスポーツカーではないが。
スポーツカーは2シーターである。)であるハンドリングがなっていない程につまらない。
理由はどうしてもリアエンジンのウェイトバランスから来る前輪のプアな路面との
インフォメーション量をカバーする為にアンダーステアを強める必要があり、
ダルなハンドリングとなる。そして限界を超えた時には急激なリアのブレークアウト!
何故ミッドシップにしないのかの本音は…
(1)2+2とする為にはエンジンを後方に持っていくしかない。
(2)フロントにトランクを設置しやすくする
ポルシェ911はヨーロッパ大陸を小さな子供2人と
夫婦で最低限の旅行ができるように2+2とし
トランクルームも必要との相も変らぬGTとしての
旧態依然としたコンセプトの呪縛から逃れられない。
そこにブガッティ、フェラーリ、ランボのような
ラテン系のアッケラカンとしたスポーツカーへの
ゲルマンのヤボったい劣等感を感じずにいられない。
そしてポルシェ911の欠点には目をつぶり礼賛し続ける
世界中のモータージャーナリスト達。
ポルシェにケチをつけるとその後の仕事が来なくなるからであろう。
せっかくの傑作、水平対抗6気筒ボクサーエンジンを
重心の低さ以外全くと言って良い程生かし
切っていないポルシェ911。
すでに開發に入った次の911では迷い無く
ミッドシップで、しかもボクスターのような
キャンバー角の変わらない安物の4輪ストラットサス
ではなく、しなやかな4輪ダブルウィッシュボーンで「頼むよ!」